HD30GB9(KENWOOD)

[[ 音質にこだわり抜いたストイックなDAP ]]

デジタルオーディオプレイヤー(DAP)は、
iPodを筆頭とし、SONYのwalkmanシリーズ、creativeのZENシリーズ、
東芝のgigabeatなど、DAPはいまや多種多彩にあふれており、
ある時期より大容量化が可能なHDD型は
動画やワンセグなど、音楽以外の機能も搭載するようになった。

私が使っていたKENWOOD HD30GB9（画像：左）が登場した時も、
この機種を除くほぼすべてのHDD型DAPは動画再生を搭載するのがほとんどだった。
しかし、HD30GB9は動画をサポートしておらず、
ただ単純に音楽を聴くことしかできない。
にもかかわらず、価格は当時で４万円というトップクラスの価格だった。

KENWOODがMEDIA kegシリーズとして位置付けているDAPは
電源回路をDAC（プリアンプ）部・パワーアンプで分離することや
剛性を重視したシャーシを採用するなどして音質向上を図ったモデルだ。


独断と偏見の感想だと、
HD30GB9をはじめとする、KENWOODのサウンドはどちらかというと繊細系だ。
他のDAP、特にZENやgigabeatなどが顕著だが、
意図的にパワーを重視した音を鳴らし、比較的音が逃げる野外でも
音の像がハッキリするような音づくりをしているように思う。
それに比べると、KENWOODは「味気ない」「物足りない」と感じる人もいるだろう。

私自身も、「野外使用で繊細さは必要か…？」と悩み、
音の方向性としても少々疑問を感じてはいたが、無駄な機能がないという理由で
HD30GB9に決めた。それ以来、１年半、ほぼすべての平日の通勤時間は常に
このDAPを使って音楽を楽しんだ。

画像右側の機種は、単純な色違いモデルではなく、
現行MEDIA kegのフラグシップモデルであるHD60GD9EC。
次回、こちらの購入レポートを行う。