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ハイエンドヘッドホンと、デジタルオーディオの可能性を追求し続ける「だおさん」の紆余曲折blog。週1回(日曜日)or不定期更新。
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0724_es7.jpg     0724_cd900st.jpg

つい先日、正式にATH-ESW10JPNの発売が発表されたが、
今回は2005年に発売された、Ear Suitモデルの第1弾である
ATH-ES7の比較レビューを行いたいと思う。

ATH-ESW10JPNだとポータブルヘッドホンとしては極端な高級品だが
ES7は1万円台にしては十分な性能を誇る良品である。
野外使用ではmp3を使うなど、とりたてて音質を気にしない人ならば
コストパフォーマンスに非常に優れた機種と言えるだろう。


(図の凡例については、下記記事参照のこと。
 http://puredigital.blog.shinobi.jp/Entry/26/

es7.jpg


1.音質傾向
典型的なドンシャリサウンドで中音域の量は不足している。
しかし、低音と高音が明瞭に出ているため、
どのジャンルでもそれなりに楽しく聴ける。
ポータブル機にしては有り余る低音量で、
若干締まりはないものの、価格を考えれば気にするほどではない。
高音は若干刺さる感じを受けるが、それほど荒さは感じず、
煌びやかな感じを受ける。

全体的にCD900STに比べて、音が非常に明るい。
そして音が非常に狭く、近く感じる。
空間的な広がりはあまり感じられない。


2.楽器特質
管楽器の音は非常に明るく、響きが突き抜ける感じが爽快ではあるが、
本物の音からは遠い。聴いていて楽しいというレベル。

弦楽器は解像度の低さからか、どの音域でも音が団子になっており、
音がモゴモゴと濁っている。管楽器に比べスピード感も足りない。
ただしフォークギターのような硬い音は明るくて聴き心地は良い。

打ち込み系で必要な明るさと低音の迫力があるため、
このジャンルでは最大限のパフォーマンスを発揮するだろう。
ボーカルでは女声だと若干温かみ(中音域)が不足。
男声は殊のほかリアルに近い良好な発声をする。


3.装着感の悪さ
側圧はかなり強い。使用するにつれ、だいぶ落ち着くが
購入直後は相当な強さだったため、購入直後で相当な痛みを感じる人は
慣れるまで使いこなすか、何らかの対策が必要
(ティッシュボックス等に長時間はさんで側圧を弱める、など)

ヘッドホン本体の重さはそれほどではないのだが、ヘッドバンドが硬いため
重量が集中する頭頂部が必要以上に刺激されることがある。
イヤパッドは思っているほど蒸れることはなく、
ポータブルに適した素材といえる。


4.本体機構の悪さ
ポータブルを想定した製品のため、全体的に頑丈なつくり。
衝撃にも強く、1年間苛烈な環境で使ったつもりだが
機器の損傷はない。
ただし、鏡面ハウジングはedition9同様、傷つきやすく、
また油脂汚れ(指紋など)がはっきりと見えるため
扱いは丁寧にしなければならない。


全体的には良バランス、良コストパフォーマンスな機種といえる。
音づくりも、ポータブル機種で聴く音楽ということを考えれば
戦略的な完成度の高さといえるのではないだろうか。
audio-technicaのヘッドホンは音が近い(音場が狭い)機種が多いが、
ES7はとりわけ音場が狭く、
どんな音楽もリハーサルルームで演奏しているような感触を受ける。
擬似的な空間を作っている打ち込み系だけは、
それほど狭さが気にならない
(打ち込み系で空間の良し悪しがあるかどうかが微妙だが)

音の個性としては非常に明るく、どのジャンルの音楽でも楽しく聴ける。
バイオリン族の音の表現だけやたら下手だが、
(中音域の不足によるものと思われる)
低音の迫力と高音の明るさがはっきりしているので
ポップス、ジャズ、打ち込み…あらゆる広いジャンルを
楽しく聴ける機種であるといえる。

購入直後で気をつけたいのは側圧の強さ。
他の機種に比べてもかなり強めの側圧に設定されているため、
大抵の人は長時間の着用が困難だろう。
ただ、使い続ければ側圧はやや弱まってくるので
ある程度長期間を見込んで使いこなしていく必要がある。
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