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ハイエンドヘッドホンと、デジタルオーディオの可能性を追求し続ける「だおさん」の紆余曲折blog。週1回(日曜日)or不定期更新。
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KC380108.jpg

秋になると、首都圏を中心に様々なオーディオショーが開催される。
ヘッドホンマニアとしては、11/16に中野サンプラザで開催される
ヘッドホンショーに期待している方も多いだろう。
ヘッドホン関係も新製品情報が随分入ってきているので
盛り上がること請け合いと思う。

私は、今回のヘッドホンショーに顔を出すことはできないが、
せめてもの償いというわけではないが、
珍しく札幌で本格的なオーディオショーが開催されたので
覗いてみた。

ヘッドホンと本格オーディオシステムは畑が違うので
目指す音の方向性もずいぶん異なるものだ。
しかし、同じ“音”を扱う機材。
ヘッドホンマニアの人もこの機会にぜひ様々なオーディオショーに
足を運んでみてはいかがだろうか。
きっとよい刺激になるだろう。

このオーディオフェアはパルコ札幌店で行われている。
詳細は下記ページ。
http://www.parco-sapporo.com/web/08audio_fair/

最新のオーディオシステムというより、
年配の方向けの往年のオーディオシステムを展示していた。
試聴曲もクラシック・ジャズ以外に歌謡曲が流れており、
私が訪問した時もほとんどの客が年配の方だった。

KC380086.jpg

「ALTEC(アルテック)」のA5 3wayシステム(288.16k / 311.90 / 505C)。
3wayシステムとは、高音域専用のスピーカー(ツィーター)と
中音域専用のスピーカー(スコーカー)、
そして低音域専用のスピーカー(ウーファー)の3台で構成されるシステムだ。

KC380088.JPG

3wayスピーカーにすると、3×2の計6系統の出力が必要になるのだが、
その分配はデジタルのチャンネルデバイダといわれる装置で
周波数帯域を抽出し、適切なスピーカーに音を配分して
音が極力濁らないようにする。

上記画像だと、下部の赤色の機材がチャンネルデバイダ(BEE製)。
基本的に1way / 2ch構成のヘッドホンでは縁のない機材だ。
このチャンネルデバイダは6万円程度だが、
これはかなりの格安で、昔はデバイダといえば10倍近い値段がしたらしい。

チャンネルデバイダの上に載っているのは
プッシュプル方式の真空管デュアルモノラルアンプ。
ちなみに、今回の展示ではアナログ世代を考慮してか、
またはシステムの構成上を考慮してなのか、
ほとんどが真空管アンプで構成されていた。

KC380100.JPG

ヘッドホンマニアの方でも、
「TANNOY(タンノイ)」というメーカー名ぐらいはご存知かもしれない。
こちら、TANNOYのオートグラフ ユートピア製。
スピーカーにはHPD385を使用。お値段据え置き100万円。

こうなると、音響機材というより家具の一種だ。

画面下部にちょこんと居座っているスピーカーも
名の知れた「JBL」のスピーカー(J216)。
値段は3万円のエントリーモデルだ。

KC380092.JPG

今回の展示品でもっとも高価だったのが、
こちら、「VITAVOX(ヴァイタヴォックス)」のCN191。
お値段400万円。
試聴はできなかったが(頼めばできたのかもしれないが、勇気がなかった)、
いったいどんな音が出るのか、ある意味興味深い。

KC380096.JPG

試聴ブースの一角。
ここに並んでいるスピーカーは、外側から
「AXIS(アクシス)」(126万円)、「jensen(ジェンセン)」(30万円)、
「ステファンツルソニック」(76万円)。
中央に鎮座しているアンプは、
こちらもご存知の方がいるかもしれない「Mclntosh(マッキントッシュ)」のアンプ。
AXISの音が高域が絞まっていて、いわゆる解像度が高い音だったので
ヘッドホンユーザでも好まれる音だなと思った。

ちなみに、CDPの画像をとるのを忘れていたが、
このシステムではヘッドホンアンプでおなじみのメーカー、
C.E.CのTL53Zが使用されていた。


訪れる人のほとんどが年配の人だったのだが、
若い人向け用に、ipodを使って高級スピーカーに出力できるという
ブースも用意されていた。
(私はipodではないので試すことはできなかったが…)


スピーカーとヘッドホン、比べることはナンセンスだと私は思っているのだが、
今回のこのイベントに足を運んで思ったことは、
音の傾向、ということでいえばどれもHP-DX1000と近いなという印象を抱いた。

ヘッドホンではよく「刺さる高音」というのが話題になるが、
スピーカーシステムでそういった直接的な高音は
空間で緩和されるためほとんどない。
また、距離があるため、ヘッドホンのような直接的なスピード感も少ない。

HP-DX1000はそういったスピーカーの特性を
ヘッドホンで見事に表現した製品なんだなと改めて感じた。
逆にヘッドホン的には独特の鳴りをするDX1000が苦手な人には
どんな高級スピーカーをもってしてもヘッドホンを上回ることはないだろう。

ヘッドホンマニア…というより私のスピーカーコンプレックスは
いつかまとめて記事にしたいと思っているので今回は明言は避けるが、
いずれにしてもヘッドホンもスピーカーも一長一短ではあることに違いはない。

それにしても、オーディオシステムも思ったほど高価ではない気もしてきた。

KC380105.JPG

このトールボーイスピーカーは、どれも5万円前後。
意外としっかりとした音も出る。
サイズもコンパクトで、これぐらいならなんとなく興味もわく。

ただ、ヘッドホンはお金さえあればいい音が出せるが、
スピーカーはお金だけではなく、技術や知恵が必要な点で大きく異なる。
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