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ハイエンドヘッドホンと、デジタルオーディオの可能性を追求し続ける「だおさん」の紆余曲折blog。週1回(日曜日)or不定期更新。
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0724_k701b.jpg      0724_cd900st.jpg

今回の比較レビューは、AKGの現フラグシップモデル、K701。
その中でも、ケーブルを片出しから両出しになり
moon audioの純銀ケーブルを採用したバランスモデルである
K701 Silver Dragon。

私が所有するヘッドホンの中で最も使用頻度が高く、
非常に汎用性に優れた音を持っている。
ケーブルが既存のものとは違う、接続形態がXLRのため
本来のK701サウンドとは若干異なる可能性がある。

そのあたりをご了承のうえ、比較レビューをご覧いただきたい。


(図の凡例については、下記記事参照のこと。
 http://puredigital.blog.shinobi.jp/Entry/26/

k701.jpg


1.音質傾向

ドンシャリという感じではないのだが、
CD900STに比べると中音域のバランスが不足しており、
音の厚みという点ではやや劣る。

しかし、それが欠点というわけではなく、
余分な音を取り除いたスマートで澄んだ音に聴こえてくるので
どちらかといえば良い傾向。結論として非常に聴きやすい。
閉塞感が全くなく、音場は非常に広くて自然。
響きが爽快につきぬけてゆく。

また、解像度もCD900STに比べて緻密で繊細。
どのようなジャンルでも順応することができる音バランスで、
開放型ダイナミック型のパワーがいかんなく発揮されている機種。


2.楽器特質

どのジャンルにおいても、高い次元で音が再生されている。
特にこれといった欠点は見いだせない。

木管楽器の温かさ、金管楽器の艶はともに十分。
edition9のようなこってりした厚みはないが、
打ち込み系の音楽もすっきりしたボリュームで心地よく聴ける。
音の重みや厚みより、軽さやスピードを感じることができる。

荒さがし、重箱の隅をつつけば
弦楽器の音の厚みが若干足りない気もするが、
普通に聴く分には全く気にならない。

ボーカルも男女ともに良好。特筆して良いというわけではないが、
下手な味付けはされておらず、素直に聴ける。距離感も絶妙。


3.装着感の悪さ

短時間の使用、つけた瞬間の着け心地は非常に良い。
側圧もそれほど強くなく、イヤパッドは布製なので
べたつく感じが一切しない。肌触りはハイエンド随一。
ただし、夏場の暑い時期だと少々蒸れる。
装着はフリーアジャストなので、微調整も不要。

しかし、長時間使用していくと、頭頂部が徐々に圧迫される。
クッション部の凸部分に重量が集中するため。

ヘッドホン本体が比較的軽いため(235g)、
重量感はそれほど感じない。



4.本体機構の悪さ

フリーアジャストについては、他機種には見られない
非常に複雑な構造となっているため、
この部分が破損するとヘッドホン全体が
使い物にならなくなる可能性がある。
ただしフリーアジャスト自体には頑丈なワイヤーが
片側2本計4本で支えられているため、過度の心配は不要。

開放型ではあるが、ドライバ部はハウジングに
完全に囲まれているので、防塵等も問題はなさそうだ。

ケーブルはバランス化で頑丈な純銀ケーブルのため
まったく癖がつかない。
また、他のバランス型ヘッドホンと違い、ケーブルも軽く
取り回しは非常に良い。


ヘッドホンの完成度としては非常に高く、
それでいて、聴いていても楽しい音作りがなされている。
また、癖が少なくジャンルを選ばない
万能型の音バランスをしているため
非常に汎用性の高い機種といえる。

私が所有しているヘッドホンの中で、
唯一アンバランス型の音を聞いたことのない機種のため、
世間一般に広まっているアンバランスK701の音が
上記評価と全く同じかどうかはわからない。
もしかすると低音量が少なくなるかもしれない
(他のバランス型ヘッドホンの傾向から)
すくなくとも、このK701の音は絶妙なバランスを保っている。

生楽器の音、シンセサイザーの音、人間の声、
どれをとっても十分な表現力を兼ね備えた希少な機種。
その汎用性の高さから、まずどの音楽もK701から聴き始め、
その音楽がどのヘッドホンと合うかを模索することが多い。
安心感を持って使用できるヘッドホンといえる。

唯一の欠点は、長時間の使用。
基本的には装着感も良好な機種なのだが、
一定時間を過ぎると頭頂へのダメージが大きくなってゆく。
フリーアジャストがかなり強めの調節がなされているため、
常にヘッドバンドが押し付けられている状態からおこるものと思われる。

しかし、edition9ほど強くはないので、
痛みを感じたら耳の小休止のつもりで
いったん外せば問題はない。
また、フリーアジャストも使い込めば若干緩くなるため
ある程度の連続使用も耐えうるようになる。
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