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ATH-W5000・バランス化でお世話になった
OJI Specialの西出晃氏のblogで興味深い記事が掲載されている。
バランスヘッドフォンの大きな誤解
バランスヘッドフォンの大きな誤解 その2
バランスヘッドフォンの大きな誤解 その3
バランスヘッドフォンの大きな誤解 その4
設計者、技術者からの視点で、
バランスヘッドホンというものが一体どのようなものであるかを
具体的かつ体系的に述べている貴重な記事である。
ヘッドホンに興味をお持ちなら、ぜひとも一読していただきたい内容だ。
しかし、今はバランス化に関する新しい話題は乏しく、
つい最近、久しぶりにバランス対応ヘッドホンアンプ
HD53N(C.E.C)の発売が発表されたくらいだ。
ラインナップはまだまだ貧弱である。
バランスヘッドホンはこのままマイノリティとして下火になるのだろうか?
[[ 出力装置も出力機材も種類不足 ]]
バランスヘッドホンの話をするときに、
どうしても機種は限られてしまう。
アンプは国産だとhpa200b(musica)、MBA-1(S)(Intercity)、
海外製ではRPX-100(Rudistor)、Balanced Home(Max)(Headroom)など
種類はそこそこ(それでもまだ選択肢は限られている)だが、
肝心のヘッドホンは、正規バランスというものがほとんどなく、
メーカー保証がない改造がメインというのが実情だ。
現在バランス化がある程度流通しているのは
メーカー純正でedition9(ULTRASONE)、RS-1(GRADO)、GS1000(GRADO)。
ケーブル交換でSENNHEISER系(主にHD650向け)。
メーカー保証なしだと、つい先日レビューをしたK701(AKG)、
日本国内の所持者はかなり少ないかもしれないがDT990(Beyerdynamic)もある。
国産系は100%独自改造品しかないはずだ。
音の良し悪しを語るにはまだまだ選択肢が狭すぎるといいようがない。
[[ ヘッドホンユーザにバランス化は禁断の領域なのか? ]]
バランス化を敬遠するユーザの中には
「高価だから」「取り回しや汎用性に乏しい」という人が多い。
また、もともとマイクロフォンのインターフェースとして普及したXLRを
ヘッドホンに取り込むこと自体が何故かナンセンスと受け止めている人がいるようだ。
また、流通でバランスを正式に扱っているのは
日本国内だとフジヤエービックしかないというのも気にかかる人がいるようだ。
バランス化で音が悪くなったというユーザはあまりきかない。
もし、バランス化で明らかに音が悪くなったという方がいれば
ご一報してほしいものだ。
にも関わらず、ヘッドホンユーザの多くがバランス化に消極的なのは
XLRなどという珍妙なインターフェースを使っていることや
XLRを採用することで価格が得てして大型化・高価になってしまうため
ヘッドホンユーザのニーズに合わないのだろうか。
もちろん、ヘッドホン設計者がドライバ部同様、コネクタ部やケーブルも総合して
音づくりをしている可能性は否めず、むやみやたらにケーブルやコネクタを変えて
音が絶対に向上するとも言い難いのも事実だ。
以前、私がHP-DX1000(Victor)をバランス化すべきという記事を書いたが、
今ではそうは思わない。
その記事を書いた当時は現物を持っていなかったのだが
いざ現物を持ってみると、ケーブルやコネクタも相当作りこまれており、
これをむやみに変えると音が変わってしまうのではないかという不安があるからだ。
気に入っている音をむやみやたらに弄ろうという気にはなれない。
同じオーディオでもヘッドホン、
アンプはともかくヘッドホンそのものは「カスタマイズする」という文化がなく、
1つの機材がそれほど高価ではないこともあって
音を変えるならリスキーな改造よりも機種ごと買い換える。
これがヘッドホンユーザの現在のあり方なのかもしれない。
[[ バランス化は、ニッチ分野で伸びしろがある ]]
しかし、だからといって無下にバランス化を諦めるのはもったいない。
多かれ少なかれ、バランス化が持っている可能性は従来のフォーン型よりも大きい。
それは勿論、音質向上という意味である。
おそらく、音質向上について、高級なケーブルやクリーン電源を導入するよりも
現実的な選択肢であることは明白ではないだろうか。
(そのあたりの詳しい理論は、西出氏のblogや
headroomのバランス接続に関する論文も参照いただきたい)
我々ヘッドホンユーザにできることは、
新分野を無下に否定したり敬遠するのではなく、
積極的に開拓しようとする心がけをすることが大事なのではないだろうか。
ただでさえヘッドホン界隈はマイノリティーで狭い分野である。
来るもの拒まずの精神が、広くユーザに取り入れられて欲しいと願う所存である。
バランスヘッドホンの話をするときに、
どうしても機種は限られてしまう。
アンプは国産だとhpa200b(musica)、MBA-1(S)(Intercity)、
海外製ではRPX-100(Rudistor)、Balanced Home(Max)(Headroom)など
種類はそこそこ(それでもまだ選択肢は限られている)だが、
肝心のヘッドホンは、正規バランスというものがほとんどなく、
メーカー保証がない改造がメインというのが実情だ。
現在バランス化がある程度流通しているのは
メーカー純正でedition9(ULTRASONE)、RS-1(GRADO)、GS1000(GRADO)。
ケーブル交換でSENNHEISER系(主にHD650向け)。
メーカー保証なしだと、つい先日レビューをしたK701(AKG)、
日本国内の所持者はかなり少ないかもしれないがDT990(Beyerdynamic)もある。
国産系は100%独自改造品しかないはずだ。
音の良し悪しを語るにはまだまだ選択肢が狭すぎるといいようがない。
[[ ヘッドホンユーザにバランス化は禁断の領域なのか? ]]
バランス化を敬遠するユーザの中には
「高価だから」「取り回しや汎用性に乏しい」という人が多い。
また、もともとマイクロフォンのインターフェースとして普及したXLRを
ヘッドホンに取り込むこと自体が何故かナンセンスと受け止めている人がいるようだ。
また、流通でバランスを正式に扱っているのは
日本国内だとフジヤエービックしかないというのも気にかかる人がいるようだ。
バランス化で音が悪くなったというユーザはあまりきかない。
もし、バランス化で明らかに音が悪くなったという方がいれば
ご一報してほしいものだ。
にも関わらず、ヘッドホンユーザの多くがバランス化に消極的なのは
XLRなどという珍妙なインターフェースを使っていることや
XLRを採用することで価格が得てして大型化・高価になってしまうため
ヘッドホンユーザのニーズに合わないのだろうか。
もちろん、ヘッドホン設計者がドライバ部同様、コネクタ部やケーブルも総合して
音づくりをしている可能性は否めず、むやみやたらにケーブルやコネクタを変えて
音が絶対に向上するとも言い難いのも事実だ。
以前、私がHP-DX1000(Victor)をバランス化すべきという記事を書いたが、
今ではそうは思わない。
その記事を書いた当時は現物を持っていなかったのだが
いざ現物を持ってみると、ケーブルやコネクタも相当作りこまれており、
これをむやみに変えると音が変わってしまうのではないかという不安があるからだ。
気に入っている音をむやみやたらに弄ろうという気にはなれない。
同じオーディオでもヘッドホン、
アンプはともかくヘッドホンそのものは「カスタマイズする」という文化がなく、
1つの機材がそれほど高価ではないこともあって
音を変えるならリスキーな改造よりも機種ごと買い換える。
これがヘッドホンユーザの現在のあり方なのかもしれない。
[[ バランス化は、ニッチ分野で伸びしろがある ]]
しかし、だからといって無下にバランス化を諦めるのはもったいない。
多かれ少なかれ、バランス化が持っている可能性は従来のフォーン型よりも大きい。
それは勿論、音質向上という意味である。
おそらく、音質向上について、高級なケーブルやクリーン電源を導入するよりも
現実的な選択肢であることは明白ではないだろうか。
(そのあたりの詳しい理論は、西出氏のblogや
headroomのバランス接続に関する論文も参照いただきたい)
我々ヘッドホンユーザにできることは、
新分野を無下に否定したり敬遠するのではなく、
積極的に開拓しようとする心がけをすることが大事なのではないだろうか。
ただでさえヘッドホン界隈はマイノリティーで狭い分野である。
来るもの拒まずの精神が、広くユーザに取り入れられて欲しいと願う所存である。
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気になりますねぇ
自分は一時期オーディオから離れていて最近復帰したので、よく見極めずにe9のバランスVer.手に入れて、アンプはその内と思ってました。
冷静に見回したらバランスの今後は不透明だし、先行きが気になりますね。
ぶっちゃけ思うのはドシロウト考えですが、ヘッドホンのバランス改造してくれるところがあるなら、アンプもシングル端子二つの機種ならバランス改造してくれるとこがあっても良いのでは、なんて考えてしまいます。
アンプの内部スペースとか端子の大きさ考えるとだいぶ夢みたいな話しですね。
とりあえず、バランスヘッドホンの食わず嫌い的な扱いの流れにだけはならないで欲しいです。
ただ、私もそうですがヘッドホンオーディオユーザーは、スピーカーに比べてリーズナブルに高音質が得られる事に魅力を感じているような気がするので、リケーブルもバランスアンプも低価格化がもう少し進むと流れがかわりそうですよね。
冷静に見回したらバランスの今後は不透明だし、先行きが気になりますね。
ぶっちゃけ思うのはドシロウト考えですが、ヘッドホンのバランス改造してくれるところがあるなら、アンプもシングル端子二つの機種ならバランス改造してくれるとこがあっても良いのでは、なんて考えてしまいます。
アンプの内部スペースとか端子の大きさ考えるとだいぶ夢みたいな話しですね。
とりあえず、バランスヘッドホンの食わず嫌い的な扱いの流れにだけはならないで欲しいです。
ただ、私もそうですがヘッドホンオーディオユーザーは、スピーカーに比べてリーズナブルに高音質が得られる事に魅力を感じているような気がするので、リケーブルもバランスアンプも低価格化がもう少し進むと流れがかわりそうですよね。
Re:気になりますねぇ
blackbeautyさん
コメント、ありがとうございます!
バランスの話は、恐らく多くのユーザ、
私のようなハイエンド機種メインのマニアでも
下火感は拭えません。
需要以前に供給が全くないからです。
スピーカーのようにヘッドホンも
キットで作成できるなら話は別ですが
あくまで既製品が前提のヘッドホン。
まずメーカーが作る気がなければ、廃れてしまうでしょうね。
仮に強行突入するにしてもheadroomのbalancedアンプのように
完全受注生産で入手しにくく価格も高いものばかりができてしまう。
どの世界にも先駆者はいます。しかし、ヘッドホンユーザの多くは
ヘッドホンに数十、数百万をかける気がないのが実情でしょう。
私は技術者ではないですが、
アンプがアンバランスで回路が組まれている場合、
それをバランス回路にするのはほぼ不可能かと思います。
仮にできたとしても、多大なリスクを背負って
途方もない工数がかかることでしょうね…。
コメント、ありがとうございます!
バランスの話は、恐らく多くのユーザ、
私のようなハイエンド機種メインのマニアでも
下火感は拭えません。
需要以前に供給が全くないからです。
スピーカーのようにヘッドホンも
キットで作成できるなら話は別ですが
あくまで既製品が前提のヘッドホン。
まずメーカーが作る気がなければ、廃れてしまうでしょうね。
仮に強行突入するにしてもheadroomのbalancedアンプのように
完全受注生産で入手しにくく価格も高いものばかりができてしまう。
どの世界にも先駆者はいます。しかし、ヘッドホンユーザの多くは
ヘッドホンに数十、数百万をかける気がないのが実情でしょう。
私は技術者ではないですが、
アンプがアンバランスで回路が組まれている場合、
それをバランス回路にするのはほぼ不可能かと思います。
仮にできたとしても、多大なリスクを背負って
途方もない工数がかかることでしょうね…。
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2016/11/25 - あっという間に時が流れ、このblogも開設から10年目。2016年はその締めくくりをしたく思っています。2000年代後半にハイエンドの虜になった、一人のマニアの軌跡です。
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