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ハイエンドヘッドホンと、デジタルオーディオの可能性を追求し続ける「だおさん」の紆余曲折blog。週1回(日曜日)or不定期更新。
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0724_pro5v.jpg      0724_cd900st.jpg

今回の比較は、現在も根強い人気があるエントリーモデルのDJヘッドホン
ATH-PRO5V。低音が非常に厚いサウンドでも知られている。

PRO5は、ほかに黒いハウジングの無印(ATH-PRO5)と
迷彩柄でアウトドアに似合うATH-PRO5MSが存在する。
今回はシルバー色のPRO5Vだ。



pro5v.jpg

1.音質傾向
とにかく、やたら低音が出る機種。
低音の量だけなら、edition9と互角。
質は良くない。べたっと広がり、輪郭がゼロ。
コントラバスがピチカートなのかボーイングなのかの区別がつきにくい。
中音域は平均よりやや下、高音はかなり削がれている。
ピラミッド型の音バランスだが、低音(土台)が出過ぎ。
そして、音場・空間がとにかく狭く、音が近い。
解像度については価格を考えれば相応だろう。
CD900STと比較すれば、音がベールに包まれているように感じる。

2.楽器特質
弦楽器は繊細さが皆無のため、ほとんど音になっていない。
管楽器は、低音域がでているだけ、温かみと質感は多少感じられるが
こちらもあまり聴けるレベルではない。
打楽器は、たくさんの楽器の中では埋もれるが、
バスドラム系のキック音、打ち込み系については迫力満点。
人間の声はその有り余る低音につぶされてしまい、濁っている。
何をしゃべっているのかすら聞きとりにくい場合も。
女声(アコースティック、ソロなど楽器の少ない場合)は、
若干の温もりが感じられ、やや評価する。

3.装着感の悪さ
ある意味ではDJヘッドホンらしい密着感のため、
側圧と蒸れは致し方ないと思っている。
頭頂はいたまないし、もともと軽いヘッドホンなので
重量感も感じさせないあたりは良好。

4.本体機構の悪さ
DJヘッドホンという、本来の用途では
苛烈な使用状況が想定されているためか、
全般的に良好。普通に使っていれば長持ちする機種だろう。
唯一気になるのは、ヘッドバンドの調節機構が非常に硬い。
無段階調節なのは良いが、微調整が難しい。
なお、カールコードなので癖は付かないのだが
ケーブル自体の重量感をかなり感じる。

廉価帯、世間一般の人が言うヘッドホンの平均値とも言うべき機種。
比較対象がCD900STなので、どうしても評価は悪くなるが、
低音量だけみれば、面白さを加味して個性の強いヘッドホン。
低音だけ聴きたいという人にはうってつけの機種だろう。

この廉価帯のヘッドホンは、価格という制約の中で生み出されるため、
ハイエンドヘッドホンと根本からベクトルが違う。
PRO5Vはとりわけ、頑強さと低音の量をとったという
意図がわかりやすい機種である。
好みの人ならツボにはまるのではないだろうか。
ちなみに、音漏れはしないし、遮音性も高い。
DJヘッドホンとしては、平均以上の性能もありそうだ。

balanced home ampの強烈な低音が出るという以外は、
あまり高品位アンプの影響を受けないように聴こえる。
(解像度が高くなる、性能が引き出されるという感じを受けない)
つまり、高級機材をそろえなくても、PRO5Vはその性能で落ち着く。
高ビットレートやクラシックのような繊細な音には向かないが
mp3のような圧縮音源をポータブル機で聴くという人には
コストパフォーマンスに合ったヘッドホンと言える。


さて、次回は、シークレット機種の比較企画。
キーワードは「リベンジ」。
察しの良い方、このblogを隅々まで読んでいる方は気づいてくれるだろうか。

次回、9月7日午前0時頃を、暇な方はお楽しみに…。

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