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久々にバランスヘッドホンの情報がやってきた。
McAudioから、M-81と呼ばれるヘッドホンアンプがリリースされるが、
こちらにバランス駆動モデルが含まれるとのこと。
<参考URL>
http://www.phileweb.com/news/d-av/200902/22/23084.html
http://avic.livedoor.biz/archives/51170787.html
価格も30万円とバランス駆動の国内モデルでは過去最高額。
デザインもなかなか良く、個人的には注目したい。
(購入はしないが…)
このblogでは度々ヘッドホンのバランス駆動について取り上げてきたが、
私個人的なことをいえば、正直なところバランス駆動について
よくはわかっていない。
持っているヘッドホンアンプがバランス対応だから使っていて、
元をたどればシングルエンドに比べて音が太く、暴れる
HeadroomのDACが好みだったからということになるが…。
ふと2ちゃんねるを眺めていると、
とあるスレでバランス駆動についてつい先日まで熱く語られていたので
自分メモ的にバランス駆動をまとめておくことにした。
間違い等はあると思うが、その時は
コメント欄等で指摘していただければ幸いである。
バランス駆動について、端的に説明したサイト
http://www.paradiserecords.net/special/balanced-headphone-amp.html
・ヘッドホンのバランス化は、
一般にいう平衡接続(バランス接続)のことではなくブリッジ接続を指す。
別名BTL(Bridge TransforlessまたはBridge-Tied Loadの略)。
スピーカー界隈では、出力アップの用途で用いられる。
このブリッジ接続を、ヘッドホン界隈では「バランス」と呼んでいるので
度々バランス接続なのかバランス駆動なのかで混同してしまう。
バランス接続については、つまりバランスヘッドホンでは特に関係ないのだが、
以下のサイトにバランス接続、アンバランス接続について詳しく解説されている。
この接続の主目的はノイズのキャンセルであり、
バランス駆動の議論の際、「ケーブルが長いわけじゃあるまいし」や
「ヘッドホンに信号を合成する能力がないのだから無意味」という反論があるのは
バランス接続とバランス駆動を混同してしまっている良い例。
http://tads-talk.blog.so-net.ne.jp/2005-09-07
・バランス駆動にすることによる恩恵
①グラウンドの安定化
アンバランス駆動のヘッドホンは、TRSフォーンプラグにより
3つの電極に分解される。左右chの+極とグラウンド(左右chの-極)。
つまり左右chの-極は共通化されているため、
最終的に左右chの相位が乱れることになる。
(この状態をクロスストロークと呼び、
定位の乱れ、音量レベルの乱れの原因となる)
バランス駆動のヘッドホンはグラウンドの共通化をなくし、
グラウンドに信号を流さないので基準電位の変動がなくなり
結果としてよりクリアなサウンドが供給される、としている。
②スルーレートの向上
スルーレートとは、入力信号に対してどれだけ素早く正確に出力できるか。
バランス駆動はアンバランス駆動に比べて、同じ音に確保すべき出力電圧は
約半分に済む上に信号振幅もアンバランス駆動の半分で間に合う。
結果として、より正確な再生を実現し、立体的で鮮明な再現が可能、としている。
ちなみに、STAXのイヤースピーカーは構造上バランス駆動になる。
静電型イヤースピーカーは2枚の電極で極薄の振動板を揺らすことで音を鳴らす。
つまり、-極が左右chで共通化されては正常に動作しない。
当たり前といえば当たり前のことか。
ざっとまとめてこんな感じだろうか。
バランス化は、一応音質が良くなるそれなりの理論は持っているが、
じゃあそれが実際に反映されているかといわれると
「むしろ悪くなった」という人もいるのが実情。
それはバランス駆動で音が悪くなったのではなく、
改造の過程(ケーブルやコネクタ交換、結線などの各種工程)の結果
音の鳴り方が自分好みではなくなった、ということだろう。
バランスを悪にするにするのはやや理論が短略だ。
結局高級ヘッドホンや高級アクセサリーと同様で、
変化を感じれた人は幸運であり、感じなかった人は不幸なのだろう。
実際には人間の聴覚で判断できないくらいの差かもしれない。
でも理論に基づいて「良く感じる」と思えれば、趣味の音楽鑑賞的には成功で、
「そんなもので音は良くならない」と一度考えてしまった人には
単なる散財にしか思えないのだろう。
つまり、良い音、好きな音と感じれば
バランスだろうがアンバランスだろうが、
高価だろうが安価だろうが音楽を聴くうえでは関係ないと思うのが
いつもどおりの結論だ。
幸せになっている人に横やりを入れるのは野暮というものだろう。
(2ちゃんねるでは特に、そういう横槍をいれること自体に
逆に快感を覚えている人もいるようだが…ジャンル問わず。)
XLR端子は飾りで、機器内部ではアンバランスで処理したりとか、
フルバランス回路でもボリュームの精度によっては、
せっかくのバランス信号が崩れてしまったりとか。
ちなみにバランス信号をなるべく高精度に維持できるボリュームだと、
ALPSの「RK50」の4連ボリュームになり、これだけで63000円するそうですw
PCオーディオで、私のようにUSBからデジタル信号を取り出す場合、
PCとUSBオーディオデバイスは「バランス接続」されているので、
全段バランス接続を貫くのが、信号の劣化を防ぐ分には良いんでしょうけど
フルバランスの「メリット」を受けるには、アナログ段で
かなりの投資が必要になることを知って……腰が引けました。
半端にフルバランスを目指すなら、アンプまで「アンバランス」で受けて
出力段で「バランス」に変換する構成にした方が良さそうなんですよね。
シングルエンドのヘッドホンも使う場合は、入力から出力まで
「アンバランス」のまま伝送できるので、劣化が少なそうですし。
そうなると、高精度のバランス信号変換回路をアピールしている
「BLOSSOM BLO-0299」は価格を抑えつつ、バランス(BTL)接続のメリットを
最大限に活かした商品になり、フルバランスを売りにしている
ヘッドホンアンプとは違った魅力がありそうだ、とその価値を改めました。
(以前は、フルバランスじゃないのかー、意味あるのかなぁ。などと思ってました。
バランスの奥深さを知った現状だと、何言ってんのコイツみたいな感じです)
コメント、ありがとうございます!
コメントというよりも、貴重な情報、ともいえるかもしれませんね。
バランスについてはとにもかくにもきれいにまとまった情報が少なくて
私もバランスアンプを買ってから色々調べる羽目に…。
結果、今でも実のところ、よくわかってないところがあったりします…。
私の場合、そもそもバランスをよく知らない状態で
バランスアンプを買ってしまったわけですが、
アンプがDAC内臓のものだったというのが
いい買い物だったかな、と思ってます。
(おかげでヘッドホンアンプとは思えぬ巨大な代物ではありますが…)
フルバランスにすると、特に上流が厳しくなりますよね…。
CDプレイヤーでも上位機種じゃないとバランス対応していないので
いわゆるピュアオーディオな世界まで
首を突っ込まないといけないですからね…。
それこそヘッドホンの投資がかわいく思えるほどの次元ですから(苦笑。
バランスヘッドホンの話題が
すっかり無くなってしまって悲しい限りです。
edition10がedition9の時のようにバランス化してくれれば
新しい話題になってくれると思うんですけどね…。
コメント、ありがとうございます!
私の場合、さらにDAC付きを選んでしまっている以上、
遠くから見守るという形ですね…。
(新しくアンプを買ったとしてもHeadroom経由になってしまうので…)
Phonitorは、そのいかつい見てくれもよいですが、
ヘッドホンでモニターする本格的な装置でもあるので
音遊びには非常に有効なツールだと思います。
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