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6月30日に日本国内で販売開始となった
SENNHEISERの新フラグシップヘッドホン、HD800。
今回、こちらのヘッドホンを購入したので、レポート記事を紹介する。
SENNHEISERのHD650といえば、
マニアならばその名を知らぬというくらい著名で
今なおハイエンドヘッドホンのベンチマークとして君臨し続けていた。
各所で完璧と言わしめたHD650よりも上位モデルが発売されるとあって、
以前から高い関心が寄せられたモデルであり、
HD800の登場は2009年発売モデルでも注目株だろう。
Made in Germanyが証明する、職人芸としての頂点を極めたヘッドホン。
その実力が徐々に姿をあらわにし始めた。
外箱。
ハイエンド機種には、無地段ボールを用いるなど
意外にそっけないデザインを用いることが多いのだが
(価格的に、店頭でパッケージを並べることを想定していないので)
しっかりとデザインされたパッケージとなっている。
重量感あり、ずっしりとしている。この重量のほとんどは収納ケースによるものだ。
外箱から取り出した状態。
収納ケースと取扱説明書が出てくる。
収納ケースはボール紙製だが、非常に頑丈なつくりをしている。
冊子の取扱説明書は全12ヶ国語をサポートした凝った中身だが
残念ながら日本語はサポートしていない。
(アジア圏では韓国語と中国語のみ)
必要最低限の説明書と保証書については、上記写真にある
白い紙に日本語で書かれている。
ただ、説明書には開発技術者の言葉などが掲載されているため、
一度目を通しておくのがよいだろう。
箱上部。
紙製のケースだが、しっかりした蝶つがいがついていて、
収納ケースとして十分活用できるつくりになっている。
ケース大きさ比較(左:W5000、右:4070)。
実寸としては14 x 27.5 x 34 (cm)と、ヘッドホンの収納ケースとしては比較的大型で
かつ重みもヘッドホン抜きでもずっしりとしている。
ケースを開いた状態。
黒でデザインされており、ヘッドホン自体も黒いので
写真映りとしてはなかなか難しいところ。
個人的には、ケースの蓋部分に取扱説明書を収納できるスペースを確保してほしかった。
ヘッドホン本体。
巨大なドライバー部はHD800を特徴づけるデザインだ。
HD650と同様、ケーブルは着脱可能。
ヘッドホン側の端子は特殊な形状をした独自仕様だが
HD650のようにサードパーティから様々なケーブルが発売されることを望みたい。
ドライバー部(内側)。イヤパッド部は布製。
非常にフラットで広い空間が確保されている。
後で述べるが、この巨大な空間が独特な音場を作り出しているといえる。
また、取扱説明書によると、ドライバーの防塵部は取り外し可能で
水洗いが可能とのこと。
その他、頭部に接するヘッドバンド部も着脱可能で
メンテナンス性が高くなっているのも特徴だ。
左はSA5000。発売直後、何となく似てると言われたモデル。
TRSフォーンプラグ部。
上はSA5000、下はDX1000。なぜか長い。
購入から約30時間ほど鳴らした。
今のところエージング効果のような音の変化はあまりなく、
現状である程度完成された音づくりのようにも思う。
ごく自然な量の低音に、欲張らない中音域。
高音域は若干シャリついて、打ち込み系に出るような
極端な高音域(15kHz~20kHz)は苦手なように感じる。
このあたりはエージング効果に期待したいが、
耳当たりの良い音域、特にボーカルは自然で温かい音を奏でてくれる。
クラシック音楽や生楽器も得意とするところだろう。
それらのジャンルの聴き心地は非常に良い。
そんなことよりもなによりも、素晴らしいのは音場。
録音の定位がしっかりしているか、パン振りが緻密な音楽については
音の距離や立体感が生々しく再現されている。
ただ音を鳴らすにしても、ベース音、伴奏、リードメロディが
きれいに整列して、しかも互いに干渉しないというのは
このHD800以外のヘッドホンではできているようで実はできていなかった。
先ほど画像で出てきたが、ドライバー内部のあの広い空間があればこそ
今までのヘッドホンにできなかった広大で立体的な、
本当の意味での音場が再現できるのだろう。
そして、さらに特筆すべきは、装着感の良さ。
購入直後は若干側圧が強めに感じるものの、
頭頂圧は感じないし、ヘッドバンドの調節も容易だ。
ハイエンド機種の中には、音質に注力しすぎて
装着感を損ねている機種があるだけに、
この自然な装着感だけでも十分強みであるといえる。
個人的な話をすると、HD800については、いまだ所持していない
SENNHEISERのヘッドホンを手に入れるというだけの理由で購入したので
過度の期待をしていなかった分、出てきた音については、うれしい誤算だった。
私はヘッドホンを使う上で何よりその機種の「個性」を重んじるので、
HD800は他の機種には持ち合わせていない広大で距離感が生々しい音場に
すっかり惹かれてしまった。
現状では、高音域がやや不自然な感じで、
低音も輪郭ははっきりしているが、もう少し量を出せるのではないかと思う。
そのあたりはエージング効果に期待したい。
実勢価格としては15万円と決して安価ではないが、
それでもその金額を出して得られる唯一の“個性”が確かにある、と
念を押しておきたい。
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この記事にコメントする
HD650と比較して
購入して一週間ほどたちました。それまではSTAXΩ2とHD650などを中心に使ってました。音場感が素晴らしいということで購入したのですが、現状では650のほうが豊かな響きがあるように思います。しかし他の方もエージングで激変するということを書いていらっしゃる方がいますので、期待して待っています。最初イマイチと感じられ、途中から変わったと感じられた方いましたら、どのくらいのエージングで変わったと感じられたかお教え下さい。
Re:HD650と比較して
chinaさん
コメントありがとうございます!
コメントが遅くなってしまって申し訳ありません!
私の場合、エージングよりはケーブル交換(バランス化)で
ぐっと音が変わったという感じでしたね。
HD800は本来強力なドライブができるのに、
強力なドライブができるアンプがあることももちろんですが、
デフォルトのケーブルが、どうもボトルネックになっている感が。
また、HD650とはかなり音の傾向が変わります。
どちらかといえばSTAX系やSONYのようなサウンドで
大音圧・大音数のサウンドよりは
音一つ一つを丁寧に表現するジャズや小編成楽曲のほうが
得意のように思います。
迫力や音数への密度という点では
もしかするとHD650のほうが適役かもしれません。
後は、機器そのもののエージングもありますが、
長い間同じ機種を使っていると、
どうも新しい環境は、しっくりこないということも良くあるものです。
折角の高い買い物をしたのですから、
じっくり使い込んで、新しい音楽にも挑戦してみるなど
新しい愉しみを是非探してみてください!
コメントありがとうございます!
コメントが遅くなってしまって申し訳ありません!
私の場合、エージングよりはケーブル交換(バランス化)で
ぐっと音が変わったという感じでしたね。
HD800は本来強力なドライブができるのに、
強力なドライブができるアンプがあることももちろんですが、
デフォルトのケーブルが、どうもボトルネックになっている感が。
また、HD650とはかなり音の傾向が変わります。
どちらかといえばSTAX系やSONYのようなサウンドで
大音圧・大音数のサウンドよりは
音一つ一つを丁寧に表現するジャズや小編成楽曲のほうが
得意のように思います。
迫力や音数への密度という点では
もしかするとHD650のほうが適役かもしれません。
後は、機器そのもののエージングもありますが、
長い間同じ機種を使っていると、
どうも新しい環境は、しっくりこないということも良くあるものです。
折角の高い買い物をしたのですから、
じっくり使い込んで、新しい音楽にも挑戦してみるなど
新しい愉しみを是非探してみてください!
無題
おっと、いつの間にかHD800のインプレが!
ケースの外観と言い、HD800の収納具合と言い、
最高級機の風格を感じます。
DX1000と同じく、こういう気合いの入った商品が
限定販売ではないのが嬉しいですね。
そう言えば、どこかでSENNHEISER版STAXと評してあるのを見たんですが、どの程度似てるんでしょうね。
ケースの外観と言い、HD800の収納具合と言い、
最高級機の風格を感じます。
DX1000と同じく、こういう気合いの入った商品が
限定販売ではないのが嬉しいですね。
そう言えば、どこかでSENNHEISER版STAXと評してあるのを見たんですが、どの程度似てるんでしょうね。
Re:無題
pltoさん
コメント、ありがとうございます!
実際のヘッドホンだけを手にしてみると、
ちょっと安っぽいかなという気がしないでもないですが(苦笑
12ヶ国語をサポートした取扱説明書やずっしりした収納ケースなど
こだわりは感じられます。
十万円台のヘッドホンがそれほど珍しい時代ではないですが、
決して安価ではないので、所有する満足度が高く得られるのは
とてもいいことだと思います。
今週の記事で007Aと比較しましたが、
じっくり聴き比べれば結構な差があるものの、
優劣というよりは方向性の違いといった感じでしょうか。
端正のある、正直な音という点では似ていると思います。
コメント、ありがとうございます!
実際のヘッドホンだけを手にしてみると、
ちょっと安っぽいかなという気がしないでもないですが(苦笑
12ヶ国語をサポートした取扱説明書やずっしりした収納ケースなど
こだわりは感じられます。
十万円台のヘッドホンがそれほど珍しい時代ではないですが、
決して安価ではないので、所有する満足度が高く得られるのは
とてもいいことだと思います。
今週の記事で007Aと比較しましたが、
じっくり聴き比べれば結構な差があるものの、
優劣というよりは方向性の違いといった感じでしょうか。
端正のある、正直な音という点では似ていると思います。
ゼンハイザーデビュー…せず
平日休みを利用し某ヨドバシへお目当ては開放型、メーカーとしてはゼンハイザーが第一候補 あとポータブルSTAXも?ついでに他のSTAXも…予想通り店内の騒音にかき乱されつつじっくり聴き込みその良さが少し感じる事が出来た気がしましたポータブル試聴は出来ませんでしたが見るからに装着感悪そうな
そんな中エントリーモデルらしい(とは言っても約四万円は自分には)
低価格エリアでゼンハイザーの約一万円の開放型、そのデザインに衝動買いしかけましたが踏みとどまってあと三回一万円の衝動買い我慢したら買える…と自分に言い聞かせパンフレット持って帰ってきました
エントリーモデルとは言ってもSTAX!静かな部屋で聴いたらさぞかし
でも今あるのがお蔵入りになってしまいそうな…
悩ましいところです
そんな中エントリーモデルらしい(とは言っても約四万円は自分には)
低価格エリアでゼンハイザーの約一万円の開放型、そのデザインに衝動買いしかけましたが踏みとどまってあと三回一万円の衝動買い我慢したら買える…と自分に言い聞かせパンフレット持って帰ってきました
エントリーモデルとは言ってもSTAX!静かな部屋で聴いたらさぞかし
でも今あるのがお蔵入りになってしまいそうな…
悩ましいところです
Re:ゼンハイザーデビュー…せず
坊SEさん
コメント、ありがとうございます!
迷っている間が華です。
予算と自分の期待を折衝して買い物する時間というのは、
悩ませながらも、期待膨らむ楽しいひと時です。
是非迷いに迷って、お気に入りを見つけ出してください!
STAXは、初めはその独特で繊細な音に虜になりますが、
使い続けていくと、ふとダイナミック型の力強い音に
戻りたくなる瞬間があります。
おそらくSTAXを持っていても、
他のヘッドホンを使い分けることになると思いますよ。
コメント、ありがとうございます!
迷っている間が華です。
予算と自分の期待を折衝して買い物する時間というのは、
悩ませながらも、期待膨らむ楽しいひと時です。
是非迷いに迷って、お気に入りを見つけ出してください!
STAXは、初めはその独特で繊細な音に虜になりますが、
使い続けていくと、ふとダイナミック型の力強い音に
戻りたくなる瞬間があります。
おそらくSTAXを持っていても、
他のヘッドホンを使い分けることになると思いますよ。
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2016/11/25 - あっという間に時が流れ、このblogも開設から10年目。2016年はその締めくくりをしたく思っています。2000年代後半にハイエンドの虜になった、一人のマニアの軌跡です。
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