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4070の購入レポート後のアクセス数は通常の4倍近くに。
どうやら某掲示板や某有名サイトで紹介されたようで
反響が大きかったようだ。
いつもならば、購入後は簡単な主観レビューで終わるのだが、
珍しい機種でネットや書籍にもレビューが少ない機種ともあり、
真面目に、でも一風変わったレビューを行う。
おそらく、4070に興味がある方の多くが
SR-404を所有している(もしくは試聴したことがある)と思う。
そこで、主にSR-404と4070との比較という形で音質評価を行った。
珍しい機種である4070がどんなモノであるかが少しでも伝われば幸いだ。
なお、詳細・具体的に述べるため、2部構成にしている。
今回は、次回分の比較レビューを統括したもので、
4070そのもののレビューといった感じだろう。
(試聴環境については「私のオーディオ環境」参照)
【総評】
404の音は水彩画、4070の音はディスプレイに描かれた高繊細なドット絵、という例えはどうだろう。
オーディオテクニカ系をご存知なら、W1000とW5000の関係と思ってもらえれば
わかってくれる方も多いかもしれない。
没個性的な音とはいえ、ここまでストイックならそれが逆に強い個性だ。
[[ 究極のモニター専用機材 ]]
モニターに特化したヘッドホンとしてみたら、4070の上は存在しないと断言できる。
解像度が異常な高さ。404は言うまでもなく、eiditon9や007Aですら、
聴き比べすると音が4070に比べ、濁ってぼやけて聴こえる。
むしろ4070は、解像度の高すぎで逆に聴き心地や
音楽本来の楽しさというものを損ねていることすらある。
たとえば、ソロ→全合奏という演出はよくある構成だ。
404なら音のボリュームと迫力が増す、聞いていて楽しいという音づくりだ。
ほかのヘッドホンでも、それは同じことだと思う。
しかし、4070では単に楽器が増えた、という印象。
驚くべきは、音自体の圧力は増えないのだ。
とにかく、淡泊。迫力が増す、という感じはほとんど感じない。
ドライバユニットが007tAだから、これでもまだマイルドだと思う。
DACに超個性音のBalanced home Ampを使っているのも救いだ。
推奨ドライバユニットである727A、DACにm902なんて使った日には
立派な検音機材になってしまうだろう。楽しい音楽は、そこにはない。
[[ 密閉型でも十分な音場感を持つ ]]
404は全体的に音が近く、耳元で鳴っているという印象。
しかし、開放型で閉塞感を感じさせないので全体として自然な音に聞こえる。
4070は閉塞感を感じるものの、音が遠くで鳴っているため、音場は広く感じる。
よって、音の鳴り方としては、互角。
密閉型になったからといって、音が狭く感じるのはプラシーボだろう。
私も、春のヘッドホン祭りで「密閉型だな…」と思ったが、
実際SR-404と厳密な比較をすると、音場に大きな違いはないのだ。
密閉型特有の、つけた瞬間の閉塞感が嫌いな人には
音が鳴る前から嫌悪感がして、プラシーボで評価も下がるだろう。
いかに密閉という先入観が消せるかで大きく差が分かれる。
[[ “原音忠実”、“高性能”に最も近い機種か ]]
以下の例えは語弊があるかもしれない。予めご了承を。
404をはじめ、多くのヘッドホンはオーディオ機器としての音の楽しさだ。
1セットのユニットから、美しく音が混ざりあい、1つの音楽を構成する。
その混ざり方の美しさ、個性がオーディオの醍醐味のハズだ。
しかし、4070は、1つの楽器に1つの発声機が設けられ、
それが各個でバラバラと演奏している印象を受ける。
もちろん、あくまで印象で、という話で、
4070自体がツィーターやウーファーを別途積んだ機種ではない。
とにかく、すべての音の粒がはっきり聴こえて
それが混ざり合うことがない。だから、音が濁らない。
しかし、それは音楽としての美しさや楽しさを削いでいる。
ここで、このヘッドホンの好き嫌いが分かれるのではないだろうか。
私は、4070は優れたヘッドホン、イヤースピーカだと思うが、
音楽を楽しみたい、という人にはおそらく向かない。
「高性能」「高解像度」「原音忠実」という言葉が大好きな人なら、
この1台を買えば、もう何も文句は言わないだろう。
言うとすれば、装着感に関する文句だろう…。
[[ 唯一にして最大の弱点: 重量(480g) ]]
装着感自体は悪くない。フリーアジャストで
側圧や頭頂圧はまったく痛くない。
007Aよりも心地よいフィット感は404を見事に継承している。
しかし、いかせん500gに近い超重量もあって、
肩や首への負担が大きい。直接的な痛みではなく、
首や肩に鈍い違和感が1時間ほどで襲ってくるため、
適度に休めて肩や首をほぐす必要がある。
また、人工皮革のイヤパッドは通気性が悪く、蒸れやすい。
非常に長くなったが、以上が総評となる。
4070についての参考の一助となれば幸いだ。
次回、実際の試聴曲の紹介とともに、
比較企画で使用した21項目の基準で404と比較評価したいと思う。
試聴曲はクラシックから、最新の邦楽、はてはアニソンまで広く浅く採用したので
多くの人の参考になればと思っている。
404の音は水彩画、4070の音はディスプレイに描かれた高繊細なドット絵、という例えはどうだろう。
オーディオテクニカ系をご存知なら、W1000とW5000の関係と思ってもらえれば
わかってくれる方も多いかもしれない。
没個性的な音とはいえ、ここまでストイックならそれが逆に強い個性だ。
[[ 究極のモニター専用機材 ]]
モニターに特化したヘッドホンとしてみたら、4070の上は存在しないと断言できる。
解像度が異常な高さ。404は言うまでもなく、eiditon9や007Aですら、
聴き比べすると音が4070に比べ、濁ってぼやけて聴こえる。
むしろ4070は、解像度の高すぎで逆に聴き心地や
音楽本来の楽しさというものを損ねていることすらある。
たとえば、ソロ→全合奏という演出はよくある構成だ。
404なら音のボリュームと迫力が増す、聞いていて楽しいという音づくりだ。
ほかのヘッドホンでも、それは同じことだと思う。
しかし、4070では単に楽器が増えた、という印象。
驚くべきは、音自体の圧力は増えないのだ。
とにかく、淡泊。迫力が増す、という感じはほとんど感じない。
ドライバユニットが007tAだから、これでもまだマイルドだと思う。
DACに超個性音のBalanced home Ampを使っているのも救いだ。
推奨ドライバユニットである727A、DACにm902なんて使った日には
立派な検音機材になってしまうだろう。楽しい音楽は、そこにはない。
[[ 密閉型でも十分な音場感を持つ ]]
404は全体的に音が近く、耳元で鳴っているという印象。
しかし、開放型で閉塞感を感じさせないので全体として自然な音に聞こえる。
4070は閉塞感を感じるものの、音が遠くで鳴っているため、音場は広く感じる。
よって、音の鳴り方としては、互角。
密閉型になったからといって、音が狭く感じるのはプラシーボだろう。
私も、春のヘッドホン祭りで「密閉型だな…」と思ったが、
実際SR-404と厳密な比較をすると、音場に大きな違いはないのだ。
密閉型特有の、つけた瞬間の閉塞感が嫌いな人には
音が鳴る前から嫌悪感がして、プラシーボで評価も下がるだろう。
いかに密閉という先入観が消せるかで大きく差が分かれる。
[[ “原音忠実”、“高性能”に最も近い機種か ]]
以下の例えは語弊があるかもしれない。予めご了承を。
404をはじめ、多くのヘッドホンはオーディオ機器としての音の楽しさだ。
1セットのユニットから、美しく音が混ざりあい、1つの音楽を構成する。
その混ざり方の美しさ、個性がオーディオの醍醐味のハズだ。
しかし、4070は、1つの楽器に1つの発声機が設けられ、
それが各個でバラバラと演奏している印象を受ける。
もちろん、あくまで印象で、という話で、
4070自体がツィーターやウーファーを別途積んだ機種ではない。
とにかく、すべての音の粒がはっきり聴こえて
それが混ざり合うことがない。だから、音が濁らない。
しかし、それは音楽としての美しさや楽しさを削いでいる。
ここで、このヘッドホンの好き嫌いが分かれるのではないだろうか。
私は、4070は優れたヘッドホン、イヤースピーカだと思うが、
音楽を楽しみたい、という人にはおそらく向かない。
「高性能」「高解像度」「原音忠実」という言葉が大好きな人なら、
この1台を買えば、もう何も文句は言わないだろう。
言うとすれば、装着感に関する文句だろう…。
[[ 唯一にして最大の弱点: 重量(480g) ]]
装着感自体は悪くない。フリーアジャストで
側圧や頭頂圧はまったく痛くない。
007Aよりも心地よいフィット感は404を見事に継承している。
しかし、いかせん500gに近い超重量もあって、
肩や首への負担が大きい。直接的な痛みではなく、
首や肩に鈍い違和感が1時間ほどで襲ってくるため、
適度に休めて肩や首をほぐす必要がある。
また、人工皮革のイヤパッドは通気性が悪く、蒸れやすい。
非常に長くなったが、以上が総評となる。
4070についての参考の一助となれば幸いだ。
次回、実際の試聴曲の紹介とともに、
比較企画で使用した21項目の基準で404と比較評価したいと思う。
試聴曲はクラシックから、最新の邦楽、はてはアニソンまで広く浅く採用したので
多くの人の参考になればと思っている。
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STAX型e9?
インプレお疲れ様です。
環境次第で前後はあると思いますが、コンデンサー型、ダイナミック型といった根本的な部分での違いを除くと仮定するならば、概ね鳴らし方の方向性としてはedition9と同系統っぽいですね。
STAXのメーカーとして理想とする鳴りとは一線を画す音で、STAX側からしても特殊な位置づけのヘッドホンなのかな?と感じました。
この手の音を好む人も結構多いと思いますから、モニター系の頂点としてこれから人気が出てくるかもしれませんね。
私はこの重量見ただけで・・・勘弁してくださいw
環境次第で前後はあると思いますが、コンデンサー型、ダイナミック型といった根本的な部分での違いを除くと仮定するならば、概ね鳴らし方の方向性としてはedition9と同系統っぽいですね。
STAXのメーカーとして理想とする鳴りとは一線を画す音で、STAX側からしても特殊な位置づけのヘッドホンなのかな?と感じました。
この手の音を好む人も結構多いと思いますから、モニター系の頂点としてこれから人気が出てくるかもしれませんね。
私はこの重量見ただけで・・・勘弁してくださいw
Re:STAX型e9?
まみそさん
コメント、ありがとうございます!
少なくとも、404や007Aのもつ音楽の美しさというより
いかに緻密に厳密に鳴らすか…という意図が感じられました。
CD900STやSA5000のような几帳面な音が大好きだ、という人には、
号泣する音ではないかなと思ってます(笑)。
音楽ではなく“音”を聴いてしまうオーディオマニアの人には
歓迎されるでしょう。私もそんな人なので
4070は大絶賛なのですが…。
でも、重いといっても、edition9や007Aと
実際のところ、たった100g程度の違いです。
この差に、ターニングポイントがあるんでしょうか…。
コメント、ありがとうございます!
少なくとも、404や007Aのもつ音楽の美しさというより
いかに緻密に厳密に鳴らすか…という意図が感じられました。
CD900STやSA5000のような几帳面な音が大好きだ、という人には、
号泣する音ではないかなと思ってます(笑)。
音楽ではなく“音”を聴いてしまうオーディオマニアの人には
歓迎されるでしょう。私もそんな人なので
4070は大絶賛なのですが…。
でも、重いといっても、edition9や007Aと
実際のところ、たった100g程度の違いです。
この差に、ターニングポイントがあるんでしょうか…。
すごい…
少々乱暴な表現が許されるのなら。
「究極のモニターヘッドホン」…という感じでしょうか?
SR-404は試聴だけしたことがあるのですが、
繊細だけれど一体感や温かみのある音と感じました。
両極とまではいかないにしても、
違った個性を追求できるSTAXというメーカーの
あくなき研究心というものを感じます…
続きのレビューも楽しみにしています!
「究極のモニターヘッドホン」…という感じでしょうか?
SR-404は試聴だけしたことがあるのですが、
繊細だけれど一体感や温かみのある音と感じました。
両極とまではいかないにしても、
違った個性を追求できるSTAXというメーカーの
あくなき研究心というものを感じます…
続きのレビューも楽しみにしています!
Re:すごい…
レッツさん
コメント、ありがとうございます!
乱暴とは言わず、私は純粋に
「究極のモニターヘッドホン」だと思ってます。
繊細さはダイナミック型では限界がありますし。
正直プロはCD900STではなくて、4070を使うべきかと(笑。
SR-404もSR-007Aも含めて、
こんな素晴らしい装置を作れるSTAXという会社が
しかも日本にあるなんて、ちょっと誇らしくもありますね。
コメント、ありがとうございます!
乱暴とは言わず、私は純粋に
「究極のモニターヘッドホン」だと思ってます。
繊細さはダイナミック型では限界がありますし。
正直プロはCD900STではなくて、4070を使うべきかと(笑。
SR-404もSR-007Aも含めて、
こんな素晴らしい装置を作れるSTAXという会社が
しかも日本にあるなんて、ちょっと誇らしくもありますね。
無題
4070は持ってる人が滅多に居ないので貴重なレビューですね。
密閉型といっても音場感は十分,さすがSTAX。
それに「高性能」「高解像度」「原音忠実」が大好きな私は結構欲しかったりします。
しかし重そうですね(笑)
密閉型といっても音場感は十分,さすがSTAX。
それに「高性能」「高解像度」「原音忠実」が大好きな私は結構欲しかったりします。
しかし重そうですね(笑)
Re:無題
つきじさん
コメントありがとうございます!
やはり聴いてみて思ったのが、未曾有の音のきめ細かさ。
解像度とか原音忠実という言葉はよくつかわれる割に抽象的です。
「四の五の言わず4070を使え!これが答えだ!」
という感じを受けましたね(笑)。
で、それが必ずしも音の楽しさにつながらないことも確信できました。
とりあえず、今回と次回分のレビューのために
6時間ほど連続で使い続けたわけですが、
いよいよ肩こりが始まりました(苦笑)。
首と肩を鍛えて、この重さに耐えれるのが
まず第一の関門です。
コメントありがとうございます!
やはり聴いてみて思ったのが、未曾有の音のきめ細かさ。
解像度とか原音忠実という言葉はよくつかわれる割に抽象的です。
「四の五の言わず4070を使え!これが答えだ!」
という感じを受けましたね(笑)。
で、それが必ずしも音の楽しさにつながらないことも確信できました。
とりあえず、今回と次回分のレビューのために
6時間ほど連続で使い続けたわけですが、
いよいよ肩こりが始まりました(苦笑)。
首と肩を鍛えて、この重さに耐えれるのが
まず第一の関門です。
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2016/11/25 - あっという間に時が流れ、このblogも開設から10年目。2016年はその締めくくりをしたく思っています。2000年代後半にハイエンドの虜になった、一人のマニアの軌跡です。
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