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ハイエンドヘッドホンと、デジタルオーディオの可能性を追求し続ける「だおさん」の紆余曲折blog。週1回(日曜日)or不定期更新。
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090920.jpg

DENONの現行フラグシップモデル、AH-D7000。
ATH-W5000(audio-technica)、HP-DX1000(Victor)に並ぶ、
国産木製ハウジングヘッドホンの最高峰だ。

このたび、このヘッドホンをmoon audioによる
バランス改造版として手に入れることができたので
購入レポートとして紹介しようと思う。

090920a.jpg

前回記事で、HD800のバランスケーブルを紹介したが、
実はmoon audioにはHD800のケーブルとともに
バランスAH-D7000を発注していた。
到着はHD800のバランスケーブルとともに、一括で届けられた。

090920b.jpg

配達はUSPSを経由して届けられた。
USPSの場合、発送時に届け先(つまり私の側)へメールが届き、
配送状況についてインターネット上で簡単に確認することができる。
日本国内に入れば日本郵便のホームページから
EMSとして検索が可能になる。

そのあたりの流れについては、後日また語ろうと思う。

090920c.jpg

今回の荷物には関税がつくため、
その明細が外箱に添付されていた。
関税の値段設定について確認していないのでよくわからないが、
今回は1500円が受領時に請求された。


090920d.jpg

こちらが、AH-D7000の外箱。
大きさはATH-W5000ハードケースに比べやや小さいくらい、
HD800ケースに比べると一回り小さい。
ヘッドホンの収納ケースとしては普通の大きさだろう。
ボール紙素材だが、DENONと書かれた面は
もっちりとしたマットのような素材になっている。

090920e.jpg

外箱を開けた状態。
バランスケーブルに改造されているため、
もしかしたら正規の製品の時とは微妙に違うかもしれない。
なお、取扱説明書(写真左側に収納)は海外仕様になっており、
日本語の説明書は存在しなかった。

090920f.jpg

これで、Silver Dragonを使ったバランスヘッドホンは
K701、HD800に続き、3台目となった。
バランス化で用いられるケーブルは往々にして太く、重いものになるため
取り回しや装着感の悪化が欠点になってしまっている。
その点、moon audioのケーブルは非常に軽くて、
癖が全くつかない取り回しのしやすいものになっていて
装着感にもまったく影響しない。


以下は、現時点でのD7000の感想。
なお、アンバランスのD7000を使用したことはないため、
その点予めご了承いただきたい。

何を鳴らすにも非常に安定した音質で、安心して聴くことができる。
生楽器、打ち込み、ボーカル…どのジャンルにおいても
芯のある中低音と適度な刺激の高音域が非常に心地よい。
突出した派手さはないものの、聴き疲れしにくく、
長時間のリスニングに向いた温かい音が特徴的な機種だと感じた。

冒頭でも引き合いに出した、競合する国産の木製ヘッドホンと比較した場合、
W5000は高音域が美しく、DX1000は中低音域が太くダイナミックな音となるが、
D7000はその両者の中間、いい所取りといった感じを受ける。
もちろん特化という意味では、W5000のほうが繊細で美しく、
DX1000のほうがパワフルで独特な音場を持っていて、
それぞれの機種は差別化を図れるのだが、
使い分けをしない、オールマイティを求めるユーザにとっては
ある意味、模範的な機種であるといえる。

バランスヘッドホンとしてみた場合、他の機種に比べて
非常におとなしい感じを受ける。
音のソフトさはK701に近い感じもするが、
像の細かさはD7000が一回り上回っている。
そのうえで、耳に神経を使わせるような聴き疲れをしない、
絶妙な鳴らし方をしている。

また、特筆すべきは装着感の良さ。
作りとしてはHD800同様、至極単純なのだが、
長時間装着しても全く苦痛にならない。
側圧はゆるく感じるが、普通に使用している分にはずれることもなく、
装着感においても、音質においても、ゆったりと音楽に没頭できる。


一部ではedition9とタメを張れる唯一の国産ヘッドホンとも評されているが、
edition9とD7000では方向性や性格がかなり異なる。
ただ、完成度の高さという点ではこれまで発売された
どのヘッドホンに対しても全くひけを取らず、
価格設定についても納得のコストパフォーマンスなのではないだろうか。
市場を見ると、度々品切れになりがちなD7000ではあるが、
国産ハイエンドヘッドホンの代表格として
末永く愛されるモデルであることは間違いないように感じる。
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参考になります
だおさん、お返事ありがとうございます。
凄い参考になりました。

>他機種のバランスの音を知った上での「もう一歩感」が感じられない

シングルエンドとはかなり違うようですね。
通常ですと、D7000はエッジ感がなく音が協調する感じが強いんですよね。
バランス化でそのあたりの改善、及びノリの良さの改善が可能なのでしょう。

落ち着いたら私もD7000をバランス化してみたいと思います。
まみそ URL 2009/09/29(Tue)02:48:25 編集
Re:参考になります
まみそさん
コメント、ありがとうございます!

期待通りの返答になっていたでしょうか…?
こういうblogをやってしみじみ感じているのですが、
なかなかにして往々、自分の感じた音を文字にして伝えるということは、
本当に難しいものですよね。
その文字も、人によってとらえ方は様々ですからなおさらです。

某所では、ここは「変な日本語で中身のないレビュー」と
もっぱらの評判になっていますが(死、
そんな私の情報で少しでも伝われば、冥利に尽きます。

ただ、私の使っているアンプ(むしろDAC?)がかなりのイロモノなので、
もしかしたら環境の相違でまみそさんの思いとは違う音になるかもしれません…
もしその時は、ただひたすら平謝りなのですが…(苦笑。
【2009/10/04 19:19】
フォーカス感
D7000バランスについて、ひとつ質問があります。

他のバランスヘッドホンと比べて、音のフォーカス感はどんな感じでしょうか。
それぞれの音が一点集中するか、全体的に鳴るか、です。

今D7000をバランス化するか売るかで迷っています。
アンバラの状態ではフォーカス感がちょっと甘いんですよね。
バランス化で改善されるようであれば試してみたいのですが・・・
W5000、GS1000あたりのバランス型と比較してもらえると助かります。
e9は言わずもがななんで必要ないですw
まみそ URL 2009/09/23(Wed)22:19:46 編集
Re:フォーカス感
まみそさん
コメント、ありがとうございます!
…ではなく、質問ですね(苦笑。

フォーカス感、の捉え方が間違っているかもしれませんが
D7000はどの音域についてもかなり鮮やかなほうだと思います。
W5000やGS1000は若干偏りのある音というか、
良くも悪くもフィルターのようなものを持っているので
それに比べるとD7000はかなりすっきりしています。
見通しの良さでは上記2機種を上回っていると感じます。
くどく逆の言い回しをすれば、
D7000を聴くと、W5000やGS1000には偏りとフィルターを感じられた、
とも言えるでしょうか。

フォーカス感が甘いというか、エッジや主張の弱さでいえば
HD800がバランス化で大きく改善されたので、
もしかしたらD7000のフォーカスの甘さも似たようなものかもしれません。
少なくとも私が聴くところのD7000にキレの甘さというか、
他機種のバランスの音を知った上での「もう一歩感」が感じられないので
バランス化の恩恵は受けているのではないかなと思っています。

D7000がDENONにとって全力の機種なのか、
それともさらにコストをかければ上を目指せるのか…。
私はD7000がDENONの全力だと信じてバランス化に踏み切りましたが、
もしまだ爪を隠している状態だったら…悲しいです(苦笑。
【2009/09/27 22:32】
D7000
AH-D7000の購入おめでとうございます!
…意外に超低音ホンにならなかったのですね。
イヤパッドが耳に馴染むころになると、
もう少し低音が感じられるようになるかも
しれません。
というのも、D7000購入した当初はDX1000より低音が弱い…しょぼーん…だったので。

記事の印象を見るに、D7000はお手持ちのヘッドホンの中でも癖の少ない音を鳴らす
ようですね。

ケーブルに癖が全く付かないのは凄い。
通常のD7000のケーブルは、わりとカラんでくるんですよ…。
plto 2009/09/22(Tue)13:27:34 編集
Re:D7000
pltoさん
コメント、ありがとうございます!

今のところ、超低音ホンにはなりきっていませんね…
暴れん坊Balance Home Ampだと、まだやっぱりDX1000のほうが
低音ホンになっています。
まだ使用時間がそこそこなので、今後のエージング効果に期待してます。
ただ、現時点だとかなり自然な低音の鳴り方…
特にウッドベースやコントラバスの響きは絶妙なので
これが崩れるのはちょっともったいないな…とも思っています。

D7000のデフォルトケーブルはとり回しにくいとよく見かけますね…。
ちなみに私が今まで出会った中で一番厄介なケーブルは
edition9のノーマルケーブルですね。
癖になって撚ってしまうのが非常に不快でした…。
今はバランスケーブルとなっていますが、
それはそれでちょっと微妙な感じではありますけど…
ノーマルよりかマシかなと思ってます(苦笑。

ケーブルの癖は、下手をすると断線の原因にもなるので
メーカー各位には柔軟性があって小回りのきくケーブル素材を
音質追及とともに研究してもらいたいものです。
【2009/09/27 22:07】
無題
どうも、リンクありがとうございます。
これからも楽しくお付き合い出来たらいいなと思ってます♪

確かにバランスアンプを所有していたらバランスヘッドホンが欲しくなるのは当然ですね。
ただ自分にはノーマルの音を聴き比べせずに購入するのはなかなか出来ないですねぇ。
SENNHEISERの製品だったら簡単にケーブルが交換出来るから両方の音を楽しめて問題ないんですが、特に高価なハイエンドクラスのヘッドホンは手を出し難いものなので度胸がいります。

私は今の所ハイエンドの機種は所持していませんが、いずれ手にしたいと思っています。
ハイエンドのヘッドホンで自分がよく聴くHR/HMやロックが合う機種となるともうPS1000くらいになるんですよね。
GRADOの音が好きなので早く聴いてみたいですよ。

私も一台で済ますならオールマイティなヘッドホンがあればいいと思いますが、複数所持して使い分けするなら個性的な機種があった方が楽しいですね。
黄昏 URL 2009/09/22(Tue)04:43:12 編集
Re:無題
黄昏さん
コメント、ありがとうございます!
こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします!

私は残念ながらバランス信者というか、
これまでバランス化して音質的に失敗したと思ったことが無いので
出来るものであれば積極的にバランスを推し進めています。
今後でいえば、PS1000についても、バランス版を予約しているところです。
巷で話題のBeyer T1も、moon audioでバランス改造かなと目論んでいます。

PS1000については、もう予約から4か月が過ぎようとしていますが、
今のところHD800とD7000で遊べるので、あと半年くらいは待てそうです…。
噂では、現地価格がかなり高騰していて、
日本円にすると20万円を超えているらしいので、ちょっと不安ですが。

オールマイティな音は、私もかつては憧れていて、
ハイエンドヘッドホンの行きつく先はそれだと思っていましたが、
恐らくそれを最も現実的に体現したヘッドホン、
私はSTAXの007Aだと思っているのですが、
それがあまり自分好みじゃなかったということを知って以来、
いろんな音を聴きたくてヘッドホンを集めている次第です(苦笑。
【2009/09/27 22:00】
無題
どうも初めまして、黄昏と申します。
ヘッドホンから音楽やマンガなどの趣味を好き勝手にブログに綴っていまして、前からリンクさせて貰ってました。良かったら相互リンクお願いできませんか。

多くのハイエンドヘッドホンなどの比較記事をいつも参考にさせて貰ってます。
今回はバランスAH-D7000購入おめでとうございます。
私も国産ハイエンドの木製ヘッドホンとしていずれ入手したい機種だと思ってます。
バランスのAH-D7000の感想はとても珍しいので興味深いですね。
銀龍を使っているのでノーマルよりも低音がすっきりしているのかなと思いました。
私はバランスヘッドホンを持ってませんがmoon audioのケーブルは軽いですか。
青龍は持っているのですがあまり取り回しがいいケーブルだとは思っていなかったので、バランスケーブルってもっと扱いづらいものなんですね。

今後とも宜しくお願いします。
黄昏 URL 2009/09/21(Mon)00:27:08 編集
Re:無題
黄昏さん
コメント、ありがとうございます!

相互リンク、了解しました。
早速リンクを追加しましたので、確認をお願いいたします。

私の場合、改造してないD7000を知らずにバランス化してしまったので
もしかしたら純正ケーブルのほうが低音がしっかり出るのかもしれません。
(前評判を訊く限り、もっと低音が出る機種と思っていたので…)
じゃあ何故バランス化したかと言われれば、
バランスアンプを持っている以上、バランスで使いたいという
不純な動機です(苦笑。

バランスケーブルは、
GS1000(メーカー純正)、edition9(タイムロード保障)、
W5000(OJI Special)、そしてSilver Dragon改造の3機種がありますが、
Silver Dragonが一番気をもまないで済むケーブルですね。
そもそも、Silver Dragon以外はコネクタからドライブ部まで
左右チャンネル独立して1本のケーブル…
つまり2本のケーブルを撚って作っているので
どうしても重量が増す上、取り回しもかなり面倒です。
バランスヘッドホンがなかなか市民権を得られない理由の一つだと思ってます…

Blue DragonとSilver Dragonでかなり違いがあるのかもしれませんが、
確かにSilver Dragonは硬いケーブルですが、
小さくまとまるし、ケーブル癖が全くつかないので
個人的には取り回し的にも優秀なケーブルだと思っていました…
取り回しという意味で最高のヘッドホンはMDR-SA5000ですね。
軽くて癖がつかず、しかも柔らかいので小回りがきくという意味で、です。
【2009/09/21 17:54】
無題
遅くなりましたが、リンクありがとうございます。
おぉ~D7000のバランスバージョンですか。
僕は普通のタイプを持っているんですけど、edition9のような個性の強い音を沢山聴いたからこそ、「D7000のある意味個性の薄い音が素晴らしい」と改めて認識することが出来ました。 
まさゆき URL 2009/09/20(Sun)23:55:29 編集
Re:無題
まさゆきさん
コメント、ありがとうございます!

相互リンクということで、お互い頑張っていきましょう!

D7000は、普通にヘッドホンとして完成度が高いと
しみじみ思わせてくれる機種だと思います。
言ってしまえば、世の中にあるヘッドホンのいいところを
最小公倍数的に乗せることを唯一実現できた機種かもしれませんね。
(それは音質以外にも装着感、コストパフォーマンス等も含めて)

私個人的には、基本的にヘッドホンに万能は求めていないほうで
「どっちつかずなら極端になれ!」という過激な思想ですが(苦笑、
だからといってD7000を卑下しようとはあまり思わないのが不思議です。
同じような立場の007Aには結構辛口なのですが…。

これまで、ソースの荒とかジャンルを選ばず
難しいことなしに音楽を楽しむためのヘッドホンは
K701の役割だったのですが、その役割がD7000にシフトするかも…
と感じているところです。
【2009/09/21 17:32】
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