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ハイエンドヘッドホンと、デジタルオーディオの可能性を追求し続ける「だおさん」の紆余曲折blog。週1回(日曜日)or不定期更新。
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121118_00.jpg

お久しぶりです。

しばらく散財から遠ざかっていたのですが、
久しぶりに財を散らしたので報告します。

今回購入したのは、iriver Astell&Kern AK100です。

DAPは長らくKENWOOD HD60GD9(SoundMeisterEdition)で頑張っていたのですが、
転送ソフトがとっくにサポート切れで、
ライブラリの設定もずいぶん手間でした。
何度かリプレイスは検討したものの、
やはり圧倒的な音質の良さ(少なくとも国産DAPでは未だ最高傑作と思っています)で
なかなか変えられずにいました。

時代は進み、HifimanやHDP-R10(海外でいうDX100)といった
24bit系のハイレゾ音源がポータブルでも対応し始めました。
まだまだ、ハイレゾ対応DAPは発展途上ですが、
ひとまず現時点で、自分にとってはAK100が一番スタイルに合うな、と思い
今回購入に踏み切ったわけです。

まだ購入して間もないため、今回は購入レポートと
特にHDP-R10との差別化の部分について触れたいと思います。


121118_01.jpg

パッケージ。大きさは文庫本くらいで非常にコンパクトです。
紙パッケージです。

121118_03.jpg

大きさ比較。左は4年間ほぼ毎日稼働したKENWOOD HD60GD9。
右はポタアンFiio17。
コンセプト通り、まさにポケットに入る大きさです。

121118_04.jpg

付属品1。
24bitのハイレゾ音源サンプルが入ったSDカードです。
曲目は以下の通り。
「Spanish Harlem(Rebecca Pigeon)」
   →ウッドベースと透き通るボーカルが特徴的
「Storms are on the Ocean(Amber Rubarth)」
   →こちらも美しいボーカルと、フォークギターの素朴な曲。
「In a Mellow Tone
 (David Hazeltne,Javon Jackson,Tony Reedus,Paul Gill)」
   →サックスメインのオーソドックスなジャズ。
「Angel of Harlem(The Persuasions)」
   →男性4人によるアカペラ曲。バスパート担当のボイスが艶めかしい
「Tchaikovsky Walz of the Flowers from the Nutcracker Suite,Op7
  (Bruckner Orchester,Linz and Bernhard Klee)」
   →チャイコフスキー「くるみ割り人形」から花のワルツ。
    説明不要の超有名曲ですね。

121118_08.jpg

付属品2。
microUSBケーブルとキャリングケース。
microUSBについては、ケーブルも本体端子も一般的なものに見えますが
説明書には「専用のものを使用してください」の注意書きがいくつも。
普通のmicroUSBケーブルでも問題なく充電・通信ができましたが、
万が一を考えたらひとまずは付属のものを使ったほうがいいのかも。

キャリングケースは布製。ほつれが見えたりして、ちょっと高級感には欠けます。

121118_09.jpg
付属品3。
見えにくいですが、液晶保護シートです。
実は、製品には初めから
液晶と背面に保護シートが張られており、これは予備品。
タッチ液晶買ったらまずは保護シート派の私にはありがたい配慮。
説明書は日本語もちゃんとあります。

121118_05.jpg
初回起動時は、操作方法のチュートリアルデモが流れます。
(後で参照することも可能)。
基本的にはスマートフォンのようなタッチ操作です。

121118_06.jpg121118_07.jpg

イコライザのUIにこだわりがあるようで、
従来のバンドごとの設定ももちろん、
スペクトラムを指でなぞると、それに合わせて値を設定するという
面白い操作もあります…が、やや大雑把な設定なので
結局手動で微調整することになると思いますが。


細かなレビューについては、後日に回すとして、
ではなぜHDP-R10ではなくAK100を選んだかの薀蓄を語ります。

<HDP-R10とAK100の差について>
もちろん、今回購入にあたってはHDP-R10が当然候補に入っていました。
実際にHDP-R10の試聴機を借りたこともあったのですが、
結局購入には至らなかったわけです。

HDP-R10については、とにかく音質は文句なしです。
PCオーディオで利用しているものと同じ音源を使うことができる以上に、
基本性能が非常に高く、44.1kHz/16bitや、下手をすればmp3でも
この性能の高さを実感できるぐらい、音が洗練されて美しいです。

音質さえ最高ならほかのすべてを犠牲にしてもかまわない、という人なら
HDP-R10でもいいと思いますが、個人的には犠牲にする範囲が広すぎてダメでした。

・操作性が非常に悪い。Android2.3というのもあり、かなりモッサリしている。
・意外と発熱する。
・そもそも筐体が大きすぎる…
・試聴当時(2012年9月ごろ)、動作がかなり不安定だった。

また、HDP-R10は非常に繊細な音の持ち主ですが、
個人的にはポータブルでは繊細な音をそれほど求めておらず…。
元気良さという点では今一歩感があります。
原音忠実、といえば聞こえは良いですが、
その土俵では据え置きDACの環境には絶対勝てません。
また、HDP-R10の音作りには一切のスキが感じられず、
たとえばイコライザいじって低音量増やす、なんてことした瞬間に
すごく二流の音になってしまうんですよね。

「こいつが最高の音だ!」を受け入れることができる人にとって、
もちろん最高だと思うのですが、据え置きならともかく、
ポータブルってもっと遊びたいと思うんです。自分好みの音に。
そういう人にとって、HDP-R10は、悪い言い方をすれば
「最高の音が押しつけがましい」と感じてしまいます。

据え置きなら、DAC以外にもアンプ、トランスポーターなどで
差別化が図れますが、オールインワンのDAPではそれができません。
結局オーディオとは、自分自身の好みや感性が合わなければ
どんなにお金を積んでも、他人がどう評価しようとも、何の価値もないのです。


さて、ここでAK100です。
従来のDACからみれば圧倒的性能であるにせよ、
HDP-R10程の「完璧超人」さはありません。
こちらは音源の正確さも一定の水準持ちながらも、
わりとファジーというべきか、「遊びの余地あり」の音になっています。
HDP-R10でポタアンを併用したい、と思う人はいないと思いますが、
AK100の音だったら、ポタアン噛ませる手もあるな、と思うはずです。

また、サイズも相まって、ポタアン併用だった人にも
このサイズなら継続してポタアン使おうと思えるでしょうね。

OSはLinuxベースの独自ソフトウェアで、
動作はかなり軽いです。iOS程ではないですが、ストレスにはなりません。
発熱もほとんどないです。


などという経緯があり、HDP-R10は葛藤して買い控えをしていた最中、
AK100が自分的にかなりストライクゾーンを攻められた、ということで
今回の購入に踏み切ったところではありました。

たぶん、数年しないうちにハイレゾDAPは種類がもっと増えると思います。
そうすれば、普及価格帯に値段が下がるのと同時に、
さらに玄人向けの高級モデルだって出てくるでしょう。

今買うか、まだ待つか…。そこも悩みどころだと思います。

 

ここまで長文駄文読んでいただき、ありがとうございました。

そんなあなたに、次週予告です。

ultrasone iq
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乞うご期待……

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無題
>HDP-R10
挙げられている「四つの短所」を見ると、携帯しながら使うのは不便ですね。
あくまで、出かけた先の屋内でゆったり聴く……という機種に思えます。

通勤途中や散歩などで使うのなら、できるかぎり薄く、発熱も少なく、
安定性があり、長時間バッテリーが持つ……というのがベターですよね。

ところで、最近のDAPは凄いですね。192kHz/24bitも再生可能とは。
plto 2012/12/18(Tue)17:37:20 編集
Re:無題
pltoさん
コメント、ありがとうございます!

試聴すると、音だけでいえば、本当に素晴らしい機種だと思います。HDP-R10。
昔の私なら、音さえよければ特攻していたと思うのですが、
度量が小さくなったのか、そこまでの情熱に至ることはありませんでした…

あとは、据え置きに十分強力な再生環境がある以上、
ポータブルが上を行くことはないので(あっては困りますので…)
ポータブルらしさって何かを考えると、もうちょっと考える余地はありました。
もちろん、据え置きと全く同じ音質を持ち運びたいと思う人も多いでしょうけど…

192kHz対応はボチボチはじまっていましたが、
ポータブルで可能になるのは殊の外早かったですね。
192kHzが処理しきれているのか、というのは疑問が残りますが、
私のPCの場合、実は192kHzだと再生できず、音すら出ないので、
その点ではポータブルのほうが上をいっていたりします…
【2012/12/24 18:36】
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