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イメーション株式会社さんより、今月21日発売予定の新製品
CLEF-MA (TH-ECMA600BK) の試聴機を頂きました。
「TDK Life on Record」ブランドとして、
イヤフォンへの本格参入を果たしている同社。
当blogでも今年3月に3つの製品レビューをしましたが、
エントリー~ミドルクラスのイヤフォンとして、
なかなかの完成度を誇っていました。
今回は新開発「マグネチック・アーマチュアドライバー」を
掲げての堂々登場となりました。
メーカーさん側もかなりの自信作のようです。
さっそく、レビューをさせていただきます。
<プレスリリースより>
プレスリリースでは、以下4つの特徴を挙げています。
1.騒音化でも卓越した音場表現力を実現
2.外部からの衝撃に対する高い耐久性
3.可動式イヤーホルダー機構搭載
4.シルバーアロイコードを採用
特に「1」については、
新開発の「マグネチック・アーマチュア(MA)」を採用している点において
非常に特徴的であるといえます。
プレスリリースはイメーション株式会社の公式ページ内
2012年11月19日付のプレスリリースからも確認できますので
詳細はそちらをご覧ください。
http://www.tdk-media.jp/press/pre15000.html
発売は2012年12月21日、価格はオープン価格となっていますが
市場実勢は6千円~8千円くらいになると思われます。
<レビューに先立って>
試聴機については、開封後、
据え置きの再生環境で150時間連続再生を
経た上での音質評価をしています。
<外観、付属品など>
赤いイヤーホルダーが非常に特徴的な外観。
サイズは耳にフィットするうえで適切なサイズで、
特別大きくも、小さくも感じない世間一般の「イヤフォン」の大きさです。
数値で言えば、長さ25mm、幅15mm(イヤーホルダー込みで20mm)となります。
(本体サイズは、筆者計測)
イヤーホルダーは円周沿って上下5mm程度可動でき、
耳の形に合わせることができます。
耳のふちに合うように設定すると、多少の動きなら外れたり、曲がったりはしません。
左右コードの分岐点を縮める機構もあるので、
スポーツ用途でもフィット感は維持してくれます。
画像から見てわかる通り、ドライバ部と背面は特徴的な形をしています。
ドライバ部は耳垢や埃などからドライバを保護する役割もありそうです。
ケーブル被覆は布のような編み材質(ブレイデッドコード)を採用しており、
絡みつきや線の撚り癖がつきにくいタイプです。
タッチノイズ(コードに触れたとき、糸電話のように物理的に伝わる振動・接触音)
が、かなり目立つ気がします。
工夫次第ではどうにかなると思いますが
普通に装着すると、コードに触れるたびにガリガリ、ガサガサ音が
気になってしまうかもしれません。
なお、若干音漏れがあります。
もしかしたらどこかにダクト(音の抜け穴)があるかもしれませんが
見た目には確認できませんでした。
常識的な音量であれば、それほどではありませんが、
静かな場所や電車内などでは、気を付けたほうがいいかもしれません。
付属品はシリコンイヤーピース(透明色)3サイズと、
布製ポーチとなっています。
<音質レビュー>
全体の印象としては、特に目立った帯域の主張はないフラットタイプです。
音源の味わいをそのまま出してくれる音といえます。
逆を言えばパッと聞いた感じでの印象は薄いため
店頭試聴などでは決め手となる要素は弱いかもしれません。
かなり細かい音まで、小気味良く鳴らしてくれます。
全帯域において音の立ち上がりが非常に素早いのは
バランスドアーマチュア(BA)ドライバの音を彷彿とさせます。
ただ、完全なBA型のような音の冷たさや過度の分離感はなく、
音全体の統一感があります。
音場感は比較的良好で、広く感じます。
先に「音漏れがある、ダクトがあるのかも」と述べましたが、
ダクトがあってもおかしくないぐらい、音場感はとても良く表現できています。
楽器の特性による距離感も適切で、
特にボーカルについては近すぎず、遠すぎず、聴きやすい距離感です。
サ行や金物系のような耳に刺激的なサウンドは控えめで聴きやすいです。
市場実勢の価格帯としては、この手の上品な音は珍しいかもしれません。
ただ、逆を言えば、高音域の伸びが鈍いです。
曇っている、籠っているとまではいいませんが、
高音域が今一歩のところで伸びきれていないのは、
音楽のジャンルによっては目立つかもしれません(主に打ち込み系)。
オールジャンル鳴らせる、癖の少ない音の特徴を持っていますが、
あまり低音が主張しないライトポップス、または編成の小さなジャズが
得意なように感じました。
ロック・ダンスミュージックなどを聴くと、
やや低音が物足りないと感じるかもしれません。
しっかりと最低音域まで出せていますが、やや控えめです。
クラシックの場合、小編成ならばいいのですが
フルオーケストラの大編成全合奏だと、音圧に負けてしまうのが気になりました。
また、イコライザ機能を使うと、わりと簡単に音が割れてしまいます。
ソースの音源の音をそのまま出す機器なら良いのですが、
DAC処理内で低音成分を高めているような機器の場合、
普通に再生しているのに音が割れる、という可能性があります。
<総括>
一見すると地味な印象がありますが、基本性能は高く、
変な癖がないので、いわゆる「この1本でいろんな音楽を聴く」という人や
イヤフォンの選び方が分からないという初心者の方、
付属イヤフォンからの最初のステップアップにはお勧めできるモデルです。
見た目の派手さ、硬派なイメージの割には
几帳面で、温かい優しめのサウンドとなっています。
音の立ち上がりが、おそらくこの価格帯ではトップクラスの良さで、
中途半端なシングルBAのイヤフォンを選ぶよりは
ずっと音質向上を体感できると思います。
逆に、自分の好きな音や好きな音楽がはっきりしていて、
特に低音の量や、音の重量感、インパクトや個性を期待する人には
相性があまりよくないかもしれません。
また、イコライザ機能で自分の好きな音にカスタマイズする人にも
あまりお勧めできません。
音割れを起こし始める閾値が比較的小さく、柔軟性に乏しいということもありますが
おそらくこの機種はソース本来の音を妙な味付け無く出すことで
本来の性能(スピード感があり、小気味良い軽快なサウンド)を発揮できるからです。
低価格帯イヤフォンはデザイン重視、音質は及第点、
と呼ばれた時代は、もはや過去のようです。
1万円以下でも、音源の情報量をしっかりと引き出せるモデルが、
続々と登場してきて、うれしい限りです。
そんな、「1万円以下でも、しっかりした音質」の代表機種として、
私から、このTH-ECMA600BKをお勧めしたいと思います。
癖も少なく、イヤフォンの最初のステップアップを目指すユーザには
とても良い初級機といえます。
「この音をベースに、音をどのように変えていきたいか」と
次へのステップアップをする際にも、この機種の音なら、
妙な耳の癖をつけることがないことも、個人的には太鼓判です。
プレスリリースでは、以下4つの特徴を挙げています。
1.騒音化でも卓越した音場表現力を実現
2.外部からの衝撃に対する高い耐久性
3.可動式イヤーホルダー機構搭載
4.シルバーアロイコードを採用
特に「1」については、
新開発の「マグネチック・アーマチュア(MA)」を採用している点において
非常に特徴的であるといえます。
プレスリリースはイメーション株式会社の公式ページ内
2012年11月19日付のプレスリリースからも確認できますので
詳細はそちらをご覧ください。
http://www.tdk-media.jp/press/pre15000.html
発売は2012年12月21日、価格はオープン価格となっていますが
市場実勢は6千円~8千円くらいになると思われます。
<レビューに先立って>
試聴機については、開封後、
据え置きの再生環境で150時間連続再生を
経た上での音質評価をしています。
<外観、付属品など>
赤いイヤーホルダーが非常に特徴的な外観。
サイズは耳にフィットするうえで適切なサイズで、
特別大きくも、小さくも感じない世間一般の「イヤフォン」の大きさです。
数値で言えば、長さ25mm、幅15mm(イヤーホルダー込みで20mm)となります。
(本体サイズは、筆者計測)
イヤーホルダーは円周沿って上下5mm程度可動でき、
耳の形に合わせることができます。
耳のふちに合うように設定すると、多少の動きなら外れたり、曲がったりはしません。
左右コードの分岐点を縮める機構もあるので、
スポーツ用途でもフィット感は維持してくれます。
画像から見てわかる通り、ドライバ部と背面は特徴的な形をしています。
ドライバ部は耳垢や埃などからドライバを保護する役割もありそうです。
ケーブル被覆は布のような編み材質(ブレイデッドコード)を採用しており、
絡みつきや線の撚り癖がつきにくいタイプです。
タッチノイズ(コードに触れたとき、糸電話のように物理的に伝わる振動・接触音)
が、かなり目立つ気がします。
工夫次第ではどうにかなると思いますが
普通に装着すると、コードに触れるたびにガリガリ、ガサガサ音が
気になってしまうかもしれません。
なお、若干音漏れがあります。
もしかしたらどこかにダクト(音の抜け穴)があるかもしれませんが
見た目には確認できませんでした。
常識的な音量であれば、それほどではありませんが、
静かな場所や電車内などでは、気を付けたほうがいいかもしれません。
付属品はシリコンイヤーピース(透明色)3サイズと、
布製ポーチとなっています。
<音質レビュー>
全体の印象としては、特に目立った帯域の主張はないフラットタイプです。
音源の味わいをそのまま出してくれる音といえます。
逆を言えばパッと聞いた感じでの印象は薄いため
店頭試聴などでは決め手となる要素は弱いかもしれません。
かなり細かい音まで、小気味良く鳴らしてくれます。
全帯域において音の立ち上がりが非常に素早いのは
バランスドアーマチュア(BA)ドライバの音を彷彿とさせます。
ただ、完全なBA型のような音の冷たさや過度の分離感はなく、
音全体の統一感があります。
音場感は比較的良好で、広く感じます。
先に「音漏れがある、ダクトがあるのかも」と述べましたが、
ダクトがあってもおかしくないぐらい、音場感はとても良く表現できています。
楽器の特性による距離感も適切で、
特にボーカルについては近すぎず、遠すぎず、聴きやすい距離感です。
サ行や金物系のような耳に刺激的なサウンドは控えめで聴きやすいです。
市場実勢の価格帯としては、この手の上品な音は珍しいかもしれません。
ただ、逆を言えば、高音域の伸びが鈍いです。
曇っている、籠っているとまではいいませんが、
高音域が今一歩のところで伸びきれていないのは、
音楽のジャンルによっては目立つかもしれません(主に打ち込み系)。
オールジャンル鳴らせる、癖の少ない音の特徴を持っていますが、
あまり低音が主張しないライトポップス、または編成の小さなジャズが
得意なように感じました。
ロック・ダンスミュージックなどを聴くと、
やや低音が物足りないと感じるかもしれません。
しっかりと最低音域まで出せていますが、やや控えめです。
クラシックの場合、小編成ならばいいのですが
フルオーケストラの大編成全合奏だと、音圧に負けてしまうのが気になりました。
また、イコライザ機能を使うと、わりと簡単に音が割れてしまいます。
ソースの音源の音をそのまま出す機器なら良いのですが、
DAC処理内で低音成分を高めているような機器の場合、
普通に再生しているのに音が割れる、という可能性があります。
<総括>
一見すると地味な印象がありますが、基本性能は高く、
変な癖がないので、いわゆる「この1本でいろんな音楽を聴く」という人や
イヤフォンの選び方が分からないという初心者の方、
付属イヤフォンからの最初のステップアップにはお勧めできるモデルです。
見た目の派手さ、硬派なイメージの割には
几帳面で、温かい優しめのサウンドとなっています。
音の立ち上がりが、おそらくこの価格帯ではトップクラスの良さで、
中途半端なシングルBAのイヤフォンを選ぶよりは
ずっと音質向上を体感できると思います。
逆に、自分の好きな音や好きな音楽がはっきりしていて、
特に低音の量や、音の重量感、インパクトや個性を期待する人には
相性があまりよくないかもしれません。
また、イコライザ機能で自分の好きな音にカスタマイズする人にも
あまりお勧めできません。
音割れを起こし始める閾値が比較的小さく、柔軟性に乏しいということもありますが
おそらくこの機種はソース本来の音を妙な味付け無く出すことで
本来の性能(スピード感があり、小気味良い軽快なサウンド)を発揮できるからです。
低価格帯イヤフォンはデザイン重視、音質は及第点、
と呼ばれた時代は、もはや過去のようです。
1万円以下でも、音源の情報量をしっかりと引き出せるモデルが、
続々と登場してきて、うれしい限りです。
そんな、「1万円以下でも、しっかりした音質」の代表機種として、
私から、このTH-ECMA600BKをお勧めしたいと思います。
癖も少なく、イヤフォンの最初のステップアップを目指すユーザには
とても良い初級機といえます。
「この音をベースに、音をどのように変えていきたいか」と
次へのステップアップをする際にも、この機種の音なら、
妙な耳の癖をつけることがないことも、個人的には太鼓判です。
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2016/11/25 - あっという間に時が流れ、このblogも開設から10年目。2016年はその締めくくりをしたく思っています。2000年代後半にハイエンドの虜になった、一人のマニアの軌跡です。
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